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就農事例02
豊後大野市で見つけた理想の環境農業を軸にスローライフ確立を目指す

富山県氷見市出身。タイでのボランティア活動、東京でIT系会社の代表取締役を務めた後に就農を果たす。奥さんのみゆきさんは、大阪府出身。

農業歴:1年7か月
橋本 信宏さん(40歳)、みゆきさん(44歳)

IT系会社の代表取締役から農業へ転身 豊後大野市で思い描く理想の農業とは

「九州に縁が無く、来たことがありませんでした」と語るのは、大分県豊後大野市の就農学校「インキュベーションファーム」を卒業し、昨年1月に独立就農した橋本信宏さん、みゆきさんご夫妻。
富山出身の信宏さんは、高校卒業後にタイでボランティア活動に勤しんだ後、東京でIT系会社を立ち上げる。大阪出身のみゆきさんとは、この頃出会った。

「ゲーム開発に携わっていましたが、日々目まぐるしく、自分の人生を生きている心地がしませんでした」。
信宏さんは、仕事であらゆる情報を収集する中、全国農業会議所の相談ブースに立ち寄った。
「相談員さんに『農業で暮らす人』の話を聞いて、そういう生き方もあるかと、目が開いたような気持ちになって」。上京して10年、「地方で出来る次のこと」を模索していた時期でもあった。

就農学校が移住成功のカギ 地域の一員として農業に取り組む

池袋で開催された「新・農業人フェア」で、熱烈な誘いを受けたのが豊後大野市だった。信宏さんいわく、「口説き落とされて」数日間の短期研修に参加。自分たちだけでできるピーマン栽培、豊かな自然と、思い描く“スローライフ”実現の可能性を感じ、同市が運営する就農学校で2年間の研修へ進んだ。
「一番不安だったのが、人間関係のとっかかりです。学校形式の研修なら、先輩や同期もいて安心でした」。

農業経験はなかったものの、指導員・三代重吉さんらの的確な指導により「簡単に収穫できました」という。
研修期間中は夫婦で宿舎を利用し、2年目に三代さんに相談して引っ越し先を探し、ツテをたどって研修終了後に平屋の古民家を借りることができた。

中央が指導員の三代さん。橋本さんご夫妻との交流は今でも続いている。

「120坪の敷地に、家屋は10畳の座敷、8畳の奥座敷をはじめ4DKと広く、農機具やトラクターを収められる納屋もあります。それでいて家賃は月5000円と破格。築60年と古いものの、梁や柱がしっかりしていたため、市の空き家改修補助金80万円を使い、自分たちだけでリフォームできました」。
壁を塗り直し、畳を張り替え、天井裏に断熱材を入れる等、研修の合間にコツコツと改修を進めた。

純和風の住居。広い家に住めるのは、地方移住ならではです。

「大家さんにすごく喜んでもらえました。生まれ育った家が綺麗になると、やっぱり嬉しいですよね」。晴れて引っ越しを終えた最初の夏、“蚊帳”を吊るして眠ったのも、初めての経験だった。

「山に囲まれている分、東京とは違うカラッとした暑さです。夜には虫の声が聞こえ、風流と言いたいところですが、真っ暗だし動物も多くて、ちょっと出歩くのが怖いかも…。フクロウやウサギ、屋根裏にムササビがいたこともあります」。

リビングからは、自然豊かな風景が広がる。

家から車で約3分、55aの圃場も、三代さんの紹介で借りたもの。市の補助金を利用してビニールハウス12棟を設置。その後自費で買い増しし、14棟が並ぶ。 「5~11月がピーマンの収穫期です。7月にはヤマジノギクを植え付け、11~12月に収穫と、複合経営を行っています」。 ハウスの一棟はみゆきさんこだわりの家庭菜園で、バジル、スイカ、メロン、トマト、ニンニク等々、彩りも豊かだ。

「1日2~3食、採れたての野菜を食べられる喜びは大きいですね」。 休日には地域で草刈りをしたり、お祭りに参加したり。地域住民全員と顔見知りになり、充実した生活が送れている。 「現在の農業は、収量増加や規模拡大に目が向けられていますが、僕たちはそうではなく、夫婦2人でピーマンを出荷し、自家栽培の野菜を食べて、“スローライフ”を送りたい。そういう暮らしに憧れる人に、お手本としてもらえたら」。


指導員の声
研修中の
塚越さんご夫妻

インキュベーションファーム

豊後大野市が運営する就農学校。JAピーマン部会や県・市の関係機関による指導体制のもと、西日本有数の生産量を誇る夏秋ピーマンを中心に栽培技術が習得できる。宿泊施設(2LDK・月額12500円)の完備や農業次世代人材投資資金(150万円・2年間)、農地の斡旋や空き家の情報の提供等、就農までしっかりサポート。

指導員
三代重吉さん

研修生たちの良き相談相手

研修の時は、橋本さんご夫婦の話相手になったり、相談に乗ったり、畑を探したり、指導者というよりは、お世話係だったような気がします。橋本さんたちのように、遠方から豊後大野市に来られる人は、親戚や頼れる人がいないことも多いですし、手助けとなれるよう、心がけています。

Interview

忙しい時は手伝ったり、手伝ってもらったり
東京では希薄になっている助け合いの文化

ピーマンの収穫期は、5時に起床し、5時半には作業を始めます。11時半にはいったん家に帰り、15時ころまでは休憩です。庭で選果して、出荷したら、また収穫に行って・・・。
ピークの時はとても忙しいですが、ご近所の方が手伝いにきてくれるなど、助け合いを学びました。12月半ばから2月頃までは、翌年の準備をしつつ、のんびり過ごせています。
大名行列がもとになった伝統芸能「白熊(はぐま)」に、今年デビューしました。地域の一員になったことを実感します。

出典:農林漁業就業・ふるさと情報 iju info 

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